昔の事・今の事

基本noteと言うサイトや、他にキマグレに作ったブログからの転送で、加筆・訂正ありです。https://note.mu/zhou

「北の国から’92巣立ち」の事。その1.

 

「北の国から」というスペシャルドラマ。もう最終回から何年もたったのだが、それでも人気のテレビドラマのひとつだと思う。

スペシャルドラマは1983年~2002年にかけて8本作られた

’83 冬
’84 夏
’87 初恋
’89 帰郷
’92 巣立ち
’95 秘密
’98 時代 
2002 遺言

 私はこの中の「’89帰郷」「’92巣立ち」の2本の助監督をさせてもらった。監督はどちらとも杉田成道さん、多くのスタッフ・キャストはスギニイと呼んでいたがフジテレビの社員でもない私は、そう呼ぶ事はなかった。 

 上の写真は、「北の国から’92巣立ち」の台本数々、左上から、まだ印刷前の倉本先生手書きの、箱がきのコピー、タイトルも「巣立ち」or「成人」or「卒業」と定まっていない。
上中は準備稿の1稿目でタイトルは「成人」になっている。上右は「巣立ち」のタイトルで、犬のシールは私が貼ったものだが、シールの下は、左下と同じ{Ⅰ}になっている、だが上の脚本は102ページだが、下の脚本は209ページだ。そして、下中と下右は前篇と後篇の決定稿だ。

  私の中で「北の国から’92巣立ち」は、良い思い出ばかりではないけど、多くの人が好きだという、このドラマを、どういう順序だてで撮影されていったか、一部のコアなファンのために、スケジュールから探ってもらえたらと思う。私の手元には捨てずに取っておいたスケジュール表、その他が膨大に残されている。 

もう、こんなに贅沢な撮影は、そんなに無いと思うけど、もし助監督になりたいとか思っている人がいたら、ちょっとは勉強になるかもしれない。 

助監督は、スタッフとして呼ばれた時、まだ脚本が出来ていない状態から、準備に入る、通常、助監督はチーフ、セカンド、サードと3人いる、私はセカンドであったが、当然サードの仕事も気になるし、チーフの仕事も気になる。したがって、ここに書く事柄は、ザックリ{助監督の仕事}という目でみていただけたらと思います。

 ただ、ひとつ言っておくと、この「巣立ち」の助監督編成は、僕の助監督生活史上、最低の助監督の集まりだった。僕も含めてだけど、仕事の出来ない奴らの集まりだった。そんな助監督でもマイペースで自分の作品を作った杉田さんは、やはりスゴイ監督だと思う。

本来なら、まずシナリオが無いと始まらないけど、それは、当然倉本先生の著作物なので、ここに載せる訳にはいかない、理論社さんから「北の国からシナリオ集」が出ているようなので、それと照らし合わせながら、撮影するという観点から、このnoteを読んでいただけたらと思います。

そして、自分ならこうやって撮影する、こういうスケジュールのほうがイイかも、と思う場面があるかもしれない、スケジュールが変わるだけで芝居が変わってくる。

もしくはシナリオと映像が、セリフは同じなのに、なんか違うと感じる場面があるかもしれない、 自分がこのスケジュールで監督したならと思いながら読むと楽しい?かもしれない。

 

最初は香盤表(前編)というものをアップします、これは準備稿で作った最初の香盤表、助監督は嫌になるほど香盤表を作ります、それを助監督どうし、照らし合わせ、シナリオ上の昼と夜の確認や日替わりの確認をし、それを元にスケジュールを作ります。

 

つまらなかったでしょう・・・これは台本があれば誰でも作れるので、たいした意味はないかもしれません、

ともかく、助監督が台本をもらって最初にする仕事は香盤表作りで、セットとロケの区別をハッキリさせ、これをモトにシーン31と51は一緒に撮れるとか、A子さんが出る場面は1日でまとめられそう、とか・・・まあ、台本をいちいち、ペラペラめくらなくても判る、という、香盤表とはそういう為のもの、だから、これに間違えがあると、ある場面にBさんが来ていない、なんて事もありえる訳です。

また、シナリオ上で日にちが変われば衣裳が変わる、持ち物が変わる、順番に撮影する訳ではないので、ここを間違えると、さっきまで赤い服だったのに、次の場面では青になってる、何て事になってしまう。

だから香盤表と照らし合わせながら、俳優のスケジュール、撮影にかかる時間の読み、監督の意向、小道具や大道具、セットが作れるかどうかのスケジュールや、衣裳まで作る場合はその完成予定の日など、様々な要素を組み合わせて撮影日が決定されていきます。

とは言え、あんまり細かい所まで気にしていられないので、基本は俳優のスケジュール優先で予定が組まれ、仮に作ったスケジュールで、それぞれの担当パートが、そのスケジュールでムリがないかの確認をして、ムリがあれば作り直す、そんな感じ。

まあ、「北の国から」はだいたい俳優のスケジュールは全部貰っているので、監督のやりたいまま進んでいきます。