昔の事・今の事

基本noteと言うサイトや、他にキマグレに作ったブログからの転送で、加筆・訂正ありです。https://note.mu/zhou

1980年代初頭のAVの事。

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1980年代のAVの事を少し書いておこうと思います。
 

まず、藤木TDCさんの「アダルトビデオ革命史」という本があるので、そこから少し引用させていただきます。

「1982年にVIPエンタープライズでは「ドラマティック・シリーズ」と称し、「羅生門異聞」「創世記 イヴの好奇心」「好色八犬伝」そして大作「(VIP版)赤い帽子の女」といったドラマ作品が作られているが、これらは商業的に成功しなかった」

と、わずか数行で片づけられている部分の頃の話。

1980年頃。もうVIPという会社が出来ていたのかどうか忘れたが、群雄社という出版社がスカトロ雑誌を発行していて、その雑誌の付録にカセットテープが付けられていた。

その内容は「盗み録り、女子便所」という内容。盗み録りは勿論、盗み録音で、盗み撮影ではない。
 

デパートらしきトイレ、(遠くで館内アナウンスが聞こえる)ハイヒールの足音、ドアが開き、バタンと閉まると鍵がガチャと閉まる音がする、衣擦れの音がして、しゃがみ込む足音・・・無音・・・、ジョロジョロとオシッコの音。トイレットペーパーを取る音がカラカラ響き、拭く音、水を流す音がして、再び、衣擦れ、そして、鍵を開け、ドアが開いて出て行く。

 オシッコの音の部分が、たまに、踏ん張る女性の声・・・ウンコの落ちる音、に代わる事もある。

勿論、本当に盗み録音した訳ではなく、人のいなくなったオフィスのトイレで、男たちがドアを開け閉めし、ハイヒールで靴音をたたき出し、ワイシャツで衣擦れ音を作り、水差しでオシッコの音を作る、そして本当のデパートや食堂で録音した店内のノイズを薄くかぶせる。踏ん張る女性の声は後日録音させてもらったりした。

これは、イマジネーションの世界だ、女子便所の音だと思って聞けば、それは、もう女子便所で、映像の無い分、自分でアイドルや女優を当てはめて想像すれば、それはもうアイドルのオシッコにしか聴こえない。

こんなものを真剣に作り、雑誌の付録につけていたのだ。 

そして、その延長戦で「実写・盗み撮り 女子便所」というビデオが作られる事になった。全4巻、30分の作品だが、1本3万円、4本セットで10万円という価格だ。
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しかし、カセットテープではない、今度は映像だ。

今はスマフォでさえ高画質の動画が撮れる時代で、トイレの隙間にスマフォのレンズを当てれば、本当に盗撮出来るかもしれないけど(犯罪です)1980年代のカメラはバカでかい物で、隙間から撮れるようなものではなかった、そこで、セットを組んだり、本当のトイレで撮影する場合もドアの部分をうまくごまかして、撮影するしかなかった。

もちろん、女性モデル(女優ではない)が必要で、本当にオシッコをしてもらった。ただ、オシッコして、ウンコしてと言われて、すぐに出来ないのは当たり前、そこで、ビールなど、飲みながら、オシッコが出るのを待つ、という呑気な時代であった。

モデルさんたちに、どれぐらいのギャラが払われていたのか忘れてしまったが、ボーナスとしてオシッコ5千円、ウンコ1万円が払われていたと記憶している。

{ウンコ}が好きな人がいる、考えた事も無かった衝撃的な事実、でも気持ちは分からなくもなかった、普段、オシッコもウンコも人に見せるものではない、そんな隠された部分を見る、それは確かにゾクゾクする。

勿論、このビデオ、盗撮だけでなく、ロケでウンコさせたりしていた。

それまでこういう作品は無かったので、かなり売れたと思う。
 

この作品のあと、もう少しドラマっぽいものを作ろうという事で、「監禁・48時間の裸体」と「死虐の室(へや)」が1982年1月に作られる事になった。

次にナニを撮ったのか、もう記憶は定かではないが、一冊の雑誌がとってある、1982年5月28日号の「FOCUS」という写真週刊誌。

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そこで「フルスロットル本番・これっきり抱いて」という作品が取材された。
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30分1本の作品に3日間かけていたと書いてある、今は2時間作品でも1日撮りだ、まあ、そんな時代だったとしか言えない。

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こんなパッケージで発売された。
 

そんな時代に、先に出て来た「ドラマティック・シリーズ」と称し、「羅生門異聞」「創世記 イヴの好奇心」「好色八犬伝」そして大作「(VIP版)赤い帽子の女」といったドラマ作品が作られる事になる。

監督はピンク映画を多くとっていた増田俊光さんが来た、それはどういう経緯かは知らないが、ビデオを取った事の無い増田監督の助監督をする事になった。

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ドラマなので、ちゃんとした台本が書かれ印刷された、撮り方はピンク映画と同じだったと思う。

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監督はした事があっても助監督経験はさほどなく、増田監督には迷惑をかけたと思うが、のちに、増田監督の取るピンク映画の助監督をさせてもらったりした。

この「ドラマティック・シリーズ」僕も1本だけ監督したロミオとジュリエットを題材にした「トミオとユリエ」というモノ。
 完成した作品名は「ジュリエット」になった。この作品、カメラマンも助監督もスゴイ人たちについていただいたのだが、ここにはちょっと書けないです・・・。
 
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ドラマティック・シリーズにウンコ、オシッコは無かった、商業的に成功しなかった理由はそこだろう。
その後、僕はまたウンコ、オシッコの世界に戻っていくが、のちに、やはり映画のやりたかった僕は辞めてしまう。

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30分ビデオ1本、1万2千円。まだレンタルビデオ屋さんがギリギリ無い時代で、そんな店が出来たら、会社がつぶれるなんて話してました。

そののち、レンタル店に何本出せるかが勝負になっていたりした時代を経て、今は配信などでどれだけ出せるかに移っている・・・進化しているAV、ついていけない。